構造計算偽装2
2005.12.2


 悪質リフォーム・アスベスト問題、そして今回の事件。
建築業界の悪事が次々と社会問題になっています。
こんなことでは建築業界=悪人というレッテルを貼られそうです。
その上今回もまた日が経つにつれて責任の擦り付け合いが始まっていますが
その姿を見てさらに業界に対する不信感は増幅されることでしょう。

この構造計算偽装の問題は前回も書きましたように
色々な側面的な問題点も多く単に計算を偽ったという犯罪だけで片付けられそうにありませんが、
ただ行き着くところは関わった人々のそれぞれの『モラル』の問題だと思います。

昔、日本人は勤勉で正直でまじめだと言われていました。
そのお陰で日本の技術は世界中で評価され、資源のない小さな島国ににもかかわらず
先進国の仲間入りが出来たわけです。

しかし現在それらの先人たちの努力を無にするような事件ばかりが起きます。
また世界で一番安全な国といわれたはずが
いまや街の中では凶悪な犯罪が溢れています。

いったい日本人の倫理観はどこに消えたのでしょう。
今回の事件も技術者としてのプライドはなかったのでしょうか?
日本はバブルで頂点を迎え、その後経済が破綻していく中で
あらゆるもののコスト削減が叫ばれ、
気が付けば少し誤った方向のコスト至上主義、利益至上主義が
蔓延してしまったように感じます。

いまやっと経済が回復基調にある中、いまこそ少し方向を修正しないと
10年後、20年後に大変な国になっているような気がします。

我が家にも小さな子供がいますが、この子供が大きくなったころ
日本が安心して暮らせ、また世界に誇れる国になっている為には
我々の世代がしっかりモラルを持って生きていかなければならないでしょう。

そして失われつつあるこの業界への不信感を払拭し、
ちゃんと後世に残る建物を造っていかなければなりません。



ご意見ご感想は 「こちら」からどうぞ。



 構造計算偽装
2005.11.19


先日から突然、建築の構造計算が偽装されていた問題が世間を賑わしています。
マスコミもこぞって取り上げ社会問題となりつつあります。
まずこの構造計算、一般の方にはわかりにくいことですが
我々設計に携わるもののなかでもそれぞれ専門があり
大きく分けて意匠(計画・デザイン)、構造、設備に分かれます。
大きな事務所などはそれぞれの担当が社内にいますが
多くは意匠の事務所が施主から設計全体を請負い、
社外の構造や設備の専門事務所にその分野を下請けさせます。

今回問題になっているのはその構造専門の事務所での悪事です。
さらに厄介なのは確認申請という段階で
今度は確認検査機関というところがそれら全てを法的に合致するか検査するのですが、
ここでも見落とされていたことが問題となっています。

これも以前は特定行政庁、つまり市町村役場でしかできなかったものが
規制緩和により資格を持った民間会社でも行えるようになりました。

今回の問題の中にはいくつかの重要なポイントがあります。
まずは設計者としてのモラルの問題。
特に構造計算の分野は一般の人は当然のことながら
実は私を含めて意匠の専門の人間では詳細な計算までチェックできません。
だからこそ信頼のできる専門家に依頼するのです。

ただ今回気になるのはこれほど大胆な偽装を行ったのであれば
意匠担当や施工者も気づいたはずだと思います。

次にそのチェック体制の問題。
民間検査機関は最近徐々に増えてきており、民間である以上営利を目的とし
その受注競争が起こり始めていることも事実です。
受注を増やす為に検査を甘くした・・・?そんなことはありえないと思いますが
あったとすれば大問題です。

最後に計算方法の問題。
構造計算は膨大な量の数式の羅列になります。当然コンピューターで
計算するのですが、必要条件を入力していけば結果がでるため
検査側も条件と結果だけみていたため、その中間が盲点となったようです。
この問題は我々においても重大かつ深刻なことなので一回ではまとめきれませんので次回続きを書きます。
ただただ我々でも理解できない事件であることと
これが氷山の一角で無い事を祈ります。



ご意見ご感想は 「こちら」からどうぞ。




 職業名
2005.11.14


建築の設計を生業とする人の事を皆さんはなんて呼びますか?
これが結構いろいろとあります。
「建築家」「建築士」「設計士」・・・。
最近テレビなどで「建築家」と言う呼び名はメジャーになりました。
また資格でいうと「一級建築士」ということになります。

意外に一般の方がよく使われるのは「設計士」という呼び名ですが
これは業界の中ではほとんど使いません。
弁護士や税理士などの職業は他に呼び名が無いのに
なぜ建築設計の職業はいくつも呼び名があるのでしょう?

「家」のつく職業といえば「音楽家」「画家」また総称して「芸術家」。
それに対し「士」のつく職業は「弁護士」「税理士」「会計士」など。
つまり「士」は国家資格に基づく呼称で
「家」は芸術的才能をもつ人ということでしょうか?

確かに建築設計は資格がないとできませんし、
構造や設備にいたるエンジニアとしての知識が必要な上に
デザインという芸術的才能も重要です。

その結果このように複数の呼び方ができたのでしょう。

そういえば最近ではいろんな職業名を聞きます。
特に横文字の○○アナリストとか○○コーディネーターとか
何屋さんかわからないものも・・・。

自称○○という言い方もありますが、何と呼ばれたいかの前に
看板を背負う以上はそれにふさわしい人間でないといけませんね。
とういうわけで「建築屋」のひとりごとでした。



ご意見ご感想は 「こちら」からどうぞ。

 漢字テスト
2005.11.7


突然ですが、次の漢字なんて読むかわかりますか?
「遣方」「母屋」「筋違」「矩計図」「指曲」

ちなみに解説しますと
「遣方 - やりかた」
 敷地で建物の配置や高さを決めるための仮設作業

「母屋 - もや」
 木造の屋根の下地で垂木(たるき)を支える横架材

「筋違 - すじかい」
 木造の柱間に対角線に入れることで水平力に対抗する補強材

「矩計図 - かなばかりず」
 建築の断面を詳細に記した図面

「指曲 - さしがね」
 大工道具で直角に曲がった定規、曲尺(かねじゃく)ともいう


これらは古来より日本の木造技術の中で使われてきた言葉の一例ですが
現代でも現場の中では頻繁に使われています。
これ以外にも独特の名称などはたくさんありますし、
「吹き抜け → 吹抜け」 「請け負い → 請負」のように送り仮名を省略します。

小学生の漢字テストなら×をつけられそうです。

我々は普段何気なく使うこのような言葉も、お客様との打合せのなかで
ふと使ってしまうとお客様がきょとん??とすることもしばしば。

もっと困るのは最近のコンピューター化のなかで
ワープロで変換できないこと。
だがら最近の図面の中では字が違っていたりすることも多くなってきました。
日本の伝統技術を後世に残す為
どなたか建築専用ワープロ作っていただけませんか。



ご意見ご感想は 「こちら」からどうぞ。